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弁護士コラム Column

財産分与について

2016年05月02日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 勝又 敬介

 離婚事件において、大きな争点の一つになりがちなのが、財産分与の問題です。

 裁判所で判断を仰ぐ場合、夫婦が婚姻後に築いた財産については、その名義の如何を問わず夫婦の共有財産とされ、夫婦でそれぞれその2分の1ずつを取得することとされるのが財産分与の原則です。

 この財産分与の際に、しばしば不動産の価格について争われることがあります。

 不動産の評価方法には様々なものがあり、必ずどれか一つの評価方法に決まるわけでは無いため、当事者双方が自己に有利な評価方法を主張して譲らないと、解決が長引いてしまうことがあります。

 ここで、解決が長引いてもいいから、自分が納得いく評価方法を主張する、というのも一つの進め方であるとは思うのですが、それを貫くとかえってマイナスになってしまうこともあります。

 以前に担当した案件で、名古屋市内の中心部の一等地にある不動産の評価方法が争点になっているケースがありました。

 このケースは、調停において不動産の評価方法や分与の割合について双方が自分の言い分に拘って譲らず、また双方当事者の感情的なもつれもあって、非常に解決が長期化していました。その結果、一時的に高騰していた名古屋の不動産の市況が沈静化してしまい、引き合いの来ていた非常に高額での売却の話も流れてしまったのです。

 最終的には、不動産の評価方法、評価額は双方の言い分の妥協点を探って解決したのですが、一時期の評価額に比べて大幅に低下した額で不動産を評価して、一方がその土地を取得することになりました。

 結果的には、自分の言い分を譲らなかったことで、後から「あのときに、不動産を売却できていれば」と双方ともが悔やむことになりました。

 これとは対照的に、別のケースでは、同じく名古屋市内の不動産が問題となったケースでしたが、「最終的な分与割合はともかく、不動産の売却は早期に進める」という方針で双方が合意して不動産の売却を先に進めて、財産分与全体も比較的早期にまとめることが出来たこともありました。この案件は、双方が「早期に離婚したい」という点で一致しており、また同じ名古屋市内でも中心部の一等地というわけではなかったので、弁護士同士で協議して、双方にとって合理性のある協議が出来たという事情もありました。

 不動産の評価に限らず、どこまで自分の言い分に拘るかについては、「引き際」を見極めることも大事なことです。

 弁護士に依頼する、しないは別として、判断に迷ったときには弁護士に相談してみると良いのではないかと思います。

 名古屋丸の内本部事務所   弁護士 勝又 敬介

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この記事の著者

勝又 敬介

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勝又 敬介(かつまた けいすけ)プロフィール詳細はこちら

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